なぜ「正負の数」という数が考え出されたのか?

数学の教科書をみると、見慣れない記号や数式が書かれていますが、学び初めの方はこれをみてこう思うかもしれません。

「なんか怪しいことが書いてあるなぁ。。。数学者の頭はどうなってるんだ?こんなこと突然考え出したひとの気持ちを凡人の私には分かるはずもない。あまり仲良くできそうもないなぁ・・・」

この気持ちは私も共感できます。正負の数などいきなり紹介されても頭の上に?が何個も浮かんできますよ。しかし、よくよく歴史をひも解いてみると、正負の数も常人では理解できない数学者の思考でいきなり考え出されたわけではないようです。

やっぱり偉大な数学者といえども、日常の中から数学の考え方を生み出しているんです。これから、正負の数がどのように生み出されたかをたどっていこうと思います。

正負の数のアイデアは日常の言葉から生まれてきました。ふだん使う言葉には「反意語」というものがたくさんありますね。例えば、「大きい⇔小さい」「行く⇔帰る」「右⇔左」「もうける⇔損する」などなどラクラク例を出せるほどよく使っている言葉です。それじゃ、「数にも反意語みたいなのがあってもいいじゃないか」と昔のひとが考えたことが始まりです。

確かに、同じ10000円でも「10000円得する」のと「10000円損する」とでは真反対のことです。つまり同じ10000という数字にも2種類あるということですよね。こういう考えから正負の数が生まれてきました。

新しい数に名前をつける

私たちは1、2、3、0.5、250・・・いろんな数を知っていますが、それぞれに2種類の意味がありそうだという発想に至りました。それでは2種類を区別してどのように表せばよいかを次に考えていきましょう。ここで、分かりやすくするために「数直線」を使って考えます。

例えば「2メートル右に進む」を考えるなら「2メートル左へ進む」も考えなくてはいけないということでしたから、下の数直線上の0より左側にも数字をつくりましょう、と考えます。

新しい数を考える

みなさんなら上の図の「?」をどんな文字で表しますか?新たな数なので、新しい文字◆で表そうと思ってもいいんですが、せっかくなら2を使って新しく表現すればあらたな文字を覚える手間が軽くなりそうです。そこで、昔のひとは2の前に「−」を付けて、「−2」と表そうと決めました。そして、もともと知っていた2は「−2」の真反対であることをハッキリさせるために「+」をつけて「+2」と表現することに決定したのです。つまり、数直線で表すと下のようになります。

負の数をつくる

こう新しく名前をつければ、「2メートル右に進む」は「+2メートル進む」、「2メートル左に進む」は「−2メートル進む」と2種類の「2」の意味を表せることになります。正負の数がどうやって生まれてきたのか理解できたでしょうか?

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「符号のついた数」を理解しよう

さいごに、注意点と用語の説明をしていきます。まず「+2」は「プラスに」、「−2」は「マイナスに」と読み、数字の前に付く「+(プラス)」を「正の符号(せいのふごう)」、「−(マイナス)」を「負の符号(ふのふごう)」、まとめて「符号(ふごう)」と呼びます。

と、ここで注意。「+(プラス)」や「−(マイナス)」を足すや引くと読まないでください。同じ形の記号ですが、「+(プラス)」「−(マイナス)」は数字と一体になってひとつの数を表しているのに対し、「+(足す)」「−(引く)」は計算という動作を表しているので違う意味なのです。まぎらわしいのですが、注意しておいてください。

そして、「+7」「+2.8」「+3/5」のように0より大きい数を「正の数(せいのすう)」、「−7」「−2.8」「−3/5」のように0より小さい数を「負の数(ふのすう)」といいます。「0」だけは正の数でも負の数でもない特別な数というふうに理解してください。

正の数と負の数

それからもうひとつだけ。正の数の中で特に「+1、+2、+3、・・・」のことを「正の整数(せいのせいすう)」、負の数の中で特に「−1、−2、−3、・・・」のことを「負の整数(ふのせいすう)」と呼ぶことも覚えておきましょう。

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